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Chef Yama was introduced in Tokachi Mainichi News Paper


Article by Tokachi Mainichi News / 25 FEB 2014

「上士幌町出身の山本さん オランダで和食レストラン開業」

 【上士幌】町出身で帯広調理師専門学校卒業の山本拓明さん(30)が、オランダ・ロッテルダムに日本食レストラン「Japanese Cuisine Yama(ジャパニーズ キュイジーヌ ヤマ)」をオープンさせた。オープンキッチンを生かし目の前ですしや天ぷらを調理する独創的な空間を演出。将来は本格懐石料理を提供し、世界無形文化遺産の和食の魅力を現地に伝えたい考えだ。昨年開校40周年を迎えた同校出身者が海外で開業するのは初めてで、世界に飛躍する存在が地元調理業界の励みになりそうだ。

山本さんは1983年上士幌町生まれ。上士幌小学校、上士幌中学校を卒業後、帯広三条高校に進学したが、1年生の途中で中退した。通信制の有朋高校、帯広調理師専門学校を経て、既にオランダに就職していた先輩の紹介で同国に渡った。ホテルオークラアムステルダムで8年間勤務し、最終的にはすし職人として腕を振るった。  その後、ロッテルダムで、オランダ料理、フランス料理を組み合わせた「ダッチフレンチ」の店で2年間勤務。オランダでは当初から自分の店を持ちたいと考えており、現地で通算10年のキャリアを積んだのを機に開業を決意した。知り合いのオランダ人シェフから、空き店舗を紹介してもらい、昨年9月から準備を進めてきた。  開店準備と併行して、自宅で弁当を作って販売しながら地道にPRし、2月1日にオープンさせた。現地は商業都市のロッテルダムの一等地で、バーや飲食店が立ち並ぶ一角。カウンター15席、2人掛けのテーブル8席のこぢんまりとした店で、主にカウンター席で山本さんがその場で調理する和食を楽しむ。「見せる料理法は緊張するが自分がやりたかったスタイル」と目にもおいしい料理を目指す。  提供するメニューは、前菜、すし、天ぷらの3品のコースと、肉料理とすまし汁が付いた5品のコースで、料金は34ユーロ(約4760円)~52ユーロ(約7280円)ほど。港町なので食材の仕入れには困らず、魚介類は北海沿岸のものなどを活用、ユズ以外は現地の食材を使う。昆布の「だし」にこだわる一方、前菜の「あん肝ポン酢」は「フィッシュフォアグラ」と称するなど、本格的ながら親しみやすい日本食を提供している。  現地の日本食人気は安定し、食べ放題のチェーン系店舗も複数あるが、焼き鳥や空揚げなど居酒屋系メニューが中心。「本格的な日本食を星付きのレストランのような堅苦しさではなく、普段着で気軽に食べてもらう」のが理想だ。一方、将来は本格懐石料理を提供する別な店舗を開くことも思い描いている。  当初はオランダ語に苦労したが、今では「オランダは自分の考えを持ち、相手の考えを尊重する自由な国でとても居心地がいい」と、すっかり溶け込んだ。現地在住が長い、公私のパートナーの中森夕子さん(50)の手伝いを得ながら、念願の自分の店を仲良く切り盛りしている。「海外で挑戦することは決して難しいことではない。後輩も広い視野で続いてほしい」と話している。


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